皆さま、こんにちは。 以前のブログで「不思議な体験とかあるの?」とよく聞かれるというお話を少しだけ書きましたが、本日はその「不思議体験」についてお話ししようと思います。

といっても、決して背筋が凍るような怖いお話ではないので、どうぞ安心して気楽に読んでみてくださいね(笑)。

私はご遺体の搬送で日本全国を走り回っているため、長年走るうちに「ここで一息入れる」という自分だけの休憩ポイントが自然と決まってきます。
「新東名ならココとココ」「東北道ならココとココ」といった具合です。

大きなサービスエリア(SA)は週末や連休になると大混雑するので、普段は比較的小さなお気に入りのパーキングエリア(PA)に寄ることが多いのですが、その日はいつもと少し状況が違っていました。

連休の賑わいと、連日の運行で少しだけ溜まっていた疲れ

その日は、都内から関西方面へのご搬送の依頼でした。
ありがたいことに連日お仕事をいただいていたタイミングで、体には少々疲れが溜まっていたのを覚えています。

世間はちょうど連休の真っ只中。立ち寄る先々で、家族連れや学生さんのグループが楽しそうにワイワイと賑わっていました。
その楽しげな声を遠くに聞きながら、「私は少し疲れ気味だな。よし、こまめに小休憩を挟みながら行こう」と、安全第一で目的地へ向けて車を走らせていました。

目的地まであと2時間というところまで来たとき、ふと時計を見ると、ちょうど良い時間。いつも通り、ご家族とお約束した定刻ぴったりに到着できそうなペースです。

「ここから先はしばらくトイレもないし、今のうちに一度用を足しておこう」 そう思い、とある大きなサービスエリアに滑り込みました。

週末の大きなSAということもあって、メインのトイレは大変な混雑。
そこで私は、比較的空いている「サブトイレ」の方へと向かいました。

本当に、何にも考えずにいつも通りトコトコとトイレへ向かうと、目の前にある自動ドアが「ス〜ッ」と滑らかに開きました。
「やっぱりこっちは空いていていいな」なんて思いながら中へ入り、用を足して、さて出ようとした時のことです。

無意識にドアの前に立ちましたが、なぜかドアが開きません。
「おや?」と思いながら、手でドアを横に引いて開け、車に向かって歩き始めました。

歩きながら、頭の中に「ん???」と強烈な違和感が湧き上がってきたのです。

「あれ?……何かおかしいぞ」

確か、トイレに入るときは、私が近づいたら自動でスッとドアが開いたはず。
なのに、出る時は反応しなくて、自分で手動で開けた。

不思議に思って、確認のためにもう一度そのトイレまで戻ってみることにしました。

戻ってドアの前に立ってみると、やはり開きません。
そして、ドアの端の方をよく見てみると、そこにはこんな張り紙がしてあったのです。

『故障中につき手動』

「ええっ……!?」と思わず声が出そうになりました。
張り紙の通り、触ってみても完全に電源が切れていて、重たい手動のドアになっています。

でも、私が最初に入ったときは、絶対に、間違いなく自動でスッと開いたのです。
私の気のせいなんかじゃありません。

今でもそのサービスエリアに行く機会があるのですが、もちろん現在は修理されていて、中からも外からも自動でちゃんと開くようになっています。

あのとき、故障して動かないはずのドアを、一体誰が開けてくれたのでしょうか。
「連日の運転で疲れている私」を見て、後ろに乗っていらっしゃった故人様が、「ほら、お疲れ様。ゆっくり休んでね」と、先回りしてスッとドアを開けてくれたのかな……。

今振り返っても、不思議と怖い気持ちは一切なくて、むしろ「お手伝いしてくれたのかな」と温かい感謝の気持ちでいっぱいになります。

大切な方をご搬送する日々の中で

長距離搬送という仕事は、時に片道十数時間、数百キロを超える長い道のりをご遺体と2人きり(時にはサブドライバーを含めれば3人)で過ごすことになります。

物言わぬ故人様ではありますが、長い時間を一緒に旅していると、不思議と通じ合うものがあるような気がしてなりません。
今回のドアのお話だけでなく、実はほかにも「守られたな」「お礼を言ってくれたのかな」と感じる不思議な経験がいくつかあります。

それはまた、次の機会にゆっくりお話しさせていただきますね。

それでは皆さま、今日も心に少しの優しさを持って、安全運転でお出かけください!