こんにちは、代表の佐伯です。
今でお葬式といえば式場で行うのが当たり前ですが、私がこの業界に入った30年ほど前は、9割以上が「自宅葬」でした。
ご自宅でのお葬式は、とにかくハプニングが付き物! 今回は、「あの夜」の出来事をお話ししますね。
町全体が「式場」だった昔のお葬式
当時の自宅葬は、ご近所さんや自治会の協力なしには成り立ちませんでした。
100人〜200人が集まるのは当たり前。
住宅地の細い道にテントを立てて受付を作り、お清め所にする……。
今なら道路使用許可が下りないようなことでも、当時は「お互い様」という地域の暗黙の了解で成り立っていたんです。
そこで一番の悩みどころが「電力」でした。
祭壇の照明、外のテント、キッチンの明かり……。一軒家の電力では到底足りません。 お隣さんからコンセントをお借りしたり、一時的にアンペアを上げる工事をしたりして、なんとか準備を整えるのが私の仕事でした。
読経の最中、突然の真っ暗闇!
ある日のお通夜のことです。
お部屋には親戚がぎゅうぎゅうに座り、キッチンでは近所の奥様たちが食事の準備で大忙し。
私は現場責任者として、全体の状況を見守りながら司会をしていました。
お寺様の読経が始まり、式は順調に進んで15分が経ったその時……。
バチンッ!!
一瞬にして、家中の電気が消えて真っ暗闇に。
「ブレーカーだ!」と直感した私は、すぐにスタッフに指示を出しました。
原因はすぐに判明。あれほど「使わないで」とお願いしていた電子レンジを、忙しさのあまり誰かが回してしまったのです(笑)。
動じない「プロ」の姿に感動
真っ暗な中、参列者の皆さんは「えっ、何事!?」とザワつきましたが、凄かったのはご住職です。
全く動じることなく、暗闇の中で一点を見つめ、朗々と読経を続けられました。
その姿はまさにプロ。
本当に格好よかったです。
式が終わった後、真っ先に謝罪に伺うと、ご住職はニコッと笑って、 「ビックリしたけど、しょうがないよね!自宅葬ではよくあること。全然気にしないで」 とおっしゃってくださいました。
ご親族の皆さんも、「みんなが手伝ってくれてるんだから、これくらいで怒らないよ」と温かく、中には「電気が消えるのも通夜の作法かと思った」なんて冗談を言う方まで。
ハプニングさえも「家族の記憶」に
最近では少なくなった自宅葬ですが、地域のみんなで知恵を出し合い、助け合って故人様を送り出す……そんな「ザ・お葬式」という一体感には、今の式場葬にはない手作り感とやりがいがありました。
何年か経ってご家族にお会いすると、「あの停電は驚いたよね!」なんて笑い話になっていたりします。
ハプニングも含めて、そのお家だけの大切な思い出になる。
それが自宅葬の良さだったのかもしれませんね。
それでは、また!

